これまで行なってきた調査を基にして具体的な提案がなされるわけであるが、修復が行なわれる坂や橋が代表的タイプで示されているように一様な条件下にあるわけではなく、周辺の条件に応じ、かつ、修復の難易度に応じた、3段階の修復手法を提案している。
=選択的修復 SELECTIVE REHAB.
=部分的修復 PARTIAL REHAB.
=全面的修復 OVERALL REHAB.
坂及び橋とその周辺の状況を考慮した上で、その場所をより豊かにするために、部分的にも改造せずに、ストリートファニチャー等の、都市の小道具や装置の付加や自動車等通過交通の制限・調整等による修復であり、坂や橋のおかれている現状において、 大がかりな修復が不可能である極めて難度の高い場合に用いる修復手法である。
○ストリート・ファニチャー
ゴミ箱、灰皿、プラントボックス、ベンチ、テーブル、イス etc.
○コミュニケーション・インフォメーション
公衆電話、地図、時計塔、掲示板
○安全、防犯
街灯、車止め、ガードレール、交通標識
坂及び橋本来の機能を変えず、坂及び橋とその周辺の小改造を行なう修復であり、周辺を含む現状が部分的改造が可能であるような、比較的中程度の難度の場所に用いる修復手法である。
○修復部分の緑化
○通路のデザイン化
○橋における橋詰の空地の小公園化や坂における 新たな男坂や女坂の付加
坂及び橋の本来の機能に加えて新しい機能を付加し大がかりな改造を伴う修復であり、前掲の調査によって得られた結果が示すように、坂及び橋がその周辺にオープンスペースを持つような大改造が可能な、難度の極めて低い、自由度のある場所で用いる修復手法である。
○修復部分の公園化
○坂における屋外劇場の設置
○橋上にシェルターを架構・建築化し,ギャラリ一等に利用する。